小学館から女性マンガ誌と登場した転落女子地獄シリーズ。ただ紙媒体で発売はなく電子書籍限定の模様。第1冊目を読んでみたのでレビュー。オムニバス作品となっており1巻で「女の貧困問題」をテーマに壮絶な女性の物語が繰り広げられる。ちなみにこの漫画は小学館が運営する働く堅実女子のお悩みサイト「Suits Woman」の人気連載をコミック化している。
3作品が収録されており、どれも強烈な物語。絵柄も最初は可愛かったりするが悲惨な末路を辿る女子はホラー漫画のような出で立ちとなり怖さを引き立ててくれている。
尖った作品で意外と面白かったので興味が出た方は是非、電子書籍で読んでみて下さい。価格も安く106ページの漫画。テンポも良くてサクサクと読み進めていけます(^o^)
以下よりネタバレを含みます。先に読みたい方は以下で試し読み可能!
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漫画「転落女子地獄 蜘蛛の巣貧困」ネタバレ
ゴミ屋敷とトイプードルと私
このエピソードの主役は明日香といった女性。SNS上でチヤホヤされることに生きがいを感じており、コメント稼ぎのためであれば何でもする胸糞女だ。ちなみにエピソードを描いた漫画家は池田ユキオ先生だ。
明日香は過去に読モ経験もあり、34歳になってもキラキラ女子、チヤホヤされていたいといった願望が抜けない。キラキラした女性を演じるために借金漬けにもなっている。
キャリアウーマンである明日香だが徐々にメッキが剥がれていく。クレジットカードが停止されたり、取引先のハゲオヤジと関係を持っていたことなど明るみへ。会社の同僚にも罵られる状態になる明日香は問題を起こして会社をクビ。
唯一の救い手であった家族も父親が病気で倒れて明日香にお金を渡せたい状態へ…。
落ちるところまで落ちて最終的には父親の介護をすることになるのだが、過去の自分を忘れられずにSNSだけは止めない明日香で幕を閉じる。
絶頂から地獄まで落ちていく過程が凄まじく、窮地になると本性を現す明日香が見所。
豚皮の財布女と罵られて
このエピソードは和田海里先生が描いている。主役は亜里沙といった女性。
亜里沙は勉強に明け暮れる学生時代を過ごしており、良い企業へ入社することができた。そんな亜里沙へ会社の先輩である久藤といった男が猛アタックを仕掛けてくる。
恋愛経験もない亜里沙は久藤に優しくされてすぐに落ちてしまう。
これが運の尽き。
久藤は亜里沙に独立話を持ちかけて開業資金の貸出を要求。徐々に久藤に金を吸い取られる亜里沙。しかも久藤が会社の同僚と自分のことで話をしている瞬間を聞いてしまう。
亜里沙は久藤から「豚皮の財布女」と罵られていたのだ。
久藤へ襲いかかり、会社も辞める亜里沙。太っている自分が悪いと思い込み、勧誘されたエステで多額の費用をつぎ込むも結局ダイエットは成功せず。
最後は借金だけが膨らみ、見るも無残な姿に変わり果てた亜里沙の姿が鏡に写されて幕引き。
最終的に亜里沙は痩せることに成功するのだが、もうお化け…。ふくよかな体格の方が全然良かったと思わせてくれる内容になっている。こちらも絶頂から地獄へ落ちる救えないヒステリーなエピソードだ。
かんじよめない最貧キャバ嬢の歌
最後は浅野まいこ先生がペンを握るエピソード。主役は沙希といったキャバクラで働く女性。親にまともに愛されず勉強もしてこなかった沙希は小学生レベルの漢字がまったく読めない。さらに働いている店に70万円の借金があった。
借金を返済するために体を売ることも考えたが一線を超えられず、仕事も休むように。
救世主として現れたのが同じ店で働き、No.1の座を勝ち取っている梨香であった。梨香は明日香に九九や漢字を教えて高校を卒業するようにアドバイスとサポートをしてくれることに。
また自分の親と数年ぶりに対面を果たして事情を説明して店にあった借金も返済に成功する。
明日香は店長から店に残らないかと提案されるが断り、自分の道を歩み始めて幸せを勝ち取っていく…といったエピソード。最後はハッピーエンドで終わり、スッキリとさせてくれる。
漫画「転落女子地獄 蜘蛛の巣貧困」感想
最初2つのエピソードの末路が悲惨過ぎる。
正に天国から地獄。最後のキャバ嬢エピソードは地獄から天国といった感じでこの漫画でそっと胸を撫で下ろすことができた(笑)
何かにドップリとハマると女性は落ちていく…そんな勉強をさせられた漫画だ。
絶頂期から急落して地獄へ落ち、貧困に悩む女性を描く漫画が「転落女子地獄」…刺激的で過激、そしてリアルを描く女性漫画を求めている人は是非!
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