漫画「金のひつじ」は影のある4人の男女の青春物語。著者は【神様はうそをつく。】で有名な尾崎かおり先生。明るい青春漫画が多い中、ダークな感じが魅力で不穏な空気、モヤモヤとさせる気持ちを作るのが上手な漫画。
なんとなく胸に引っかかるような極上のダークな青春物語を満喫できる作品です。
早々に結論を述べれば非常に面白い漫画で次巻も購入をすると決めました。現在進行系で青春している方、青春時代を思い出したい方にお勧めの漫画です。
漫画「金のひつじ」ネタバレ
初っ端から1人の少年が練炭を購入して廃車の中で練炭を焚く。いわゆる練炭自殺を図ろうとしている。お婆ちゃんへ謝罪のメールを送信した直後、ギターを振り回して廃車のガラスを割る1人の少女。
その目には涙を浮かべている…。
導入から一気に惹き込まれる設定。1巻では少年が練炭自殺に至るまでの過程やメインキャストの繋がりや背景が描かれていきます。
小学校時代に住んでいた街へ6年振りに…
金のひつじのメインキャストは4人の高校生。女性陣は継、朝里。男性陣は空と優心。4人は小学校時代に親友同士であった。継だけ親の事情で関西へ引っ越し。6年振りに戻って来る。
継の出した手紙によって4人は6年振りに羊の公園で再会を果たす。あたかも昔と変わっていないような雰囲気で…。
しかし、6年の歳月は継以外の人間を大きく変えていた。
親友であった空を虐め、不良になっていた優心。お洒落に気を使い、嫉妬深くなっていた朝里。
楽しい新生活、学園生活を思い描いていた継であったが徐々に親友たちの影が見え始めて4人の関係は過去と違った形で紡がれていきます。
すれ違う4人の関係性…
まず朝里は優心の事が小学校時代から好き。その気持は継も知っている。しかし、どこか無神経で誰とでも仲良くなれる継。引っ越して早々に優心との距離が近付いていくため、継に嫉妬心を感じ始める朝里。
やがて朝里の想いは継を仲間からハブくといった形で露呈していきます。
続いて、空と優心。
優心の父親の不祥事によって不遇な中学校時代を過ごした優心。それを助けることができなく、ただ傍観者となっていた空。二人の間は中学校時代に亀裂が入っており、不良となった優心は空を虐めるように。
4人のすれ違う関係性、亀裂が徐々に浮き彫りとなっていきます。
優心が空を虐めている事を知り、継がギクシャクした4人の関係を思いながら橋で黄昏れていると冒頭の出来事へと移り変わっていきます。練炭自殺を図る少年(空)と涙を浮かべながら助ける少女(継)へ。
東京へ向かう二人…
空を助けた継は変わってしまった友人関係に嫌気がさしたのか家出を計画して東京へ向かおうとします。空も誘って。戸惑いながらも継の提案に乗っかる空。
二人は街を捨て東京へ。
ここから物語は継と空の上京ストーリーへ。
行く宛も無かった二人ですが、継が離婚した父親に連絡をすると返信が…。ロッキーな父親が登場して二人の世話をしてくれそうな知人を紹介してくれます。
父親に教えてもらった住所に向かう二人。そこはコロッケ屋。裏口から家の中へ勝手に入り、2階へ。
そこには店主らしき人物が唸り声を上げて寝ていました。それを見た二人は何事かと思い驚愕。次巻へと続きます。
漫画「金のひつじ」感想
ちょいとダークな高校生の青春物語。それぞれの背景が重なっていき、やがて爆発。4人の不穏な関係が妙に現実世界とシンクロしたりします。
大きく変わってしまったのは優心と朝里。小学校時代とあまり遜色ないのが継と空といった感じ。
青春物語なので4人がどのように関係修復をして昔のように笑い合えるのか見所の一つとなっています。
青春モノとしては重たく暗い雰囲気を付き纏いますが物語にグイグイと惹き込まれていく良作。今後の展開や4人の関係性がどうなっていくのか温かく見守りたくなる作品です。
興味が出た方は是非、チェックしてみて下さい☆彡
金のひつじ
国内外で大絶賛された『神様がうそをつく。』の尾崎かおり最新作!小学生の頃、大の仲良しだった継(つぐ)、空、優心、朝里。変わらないと信じていた絆には、いつしかヒビが入っていた……。高校生男女4人組が織りなす青春と再生の物語。
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