大ヒット漫画「恋は雨上がりのように」を描く眉月じゅん先生の初期短編集として纏められたのが「さよならデイジー」です。8つの短編エピソードが収録されており、儚くも強く美しい女性達が描かれていきます。
特に表題タイトルとなっている「さよならデイジー」はデイジーといった魔女が人間界で恋をするコメディチックな物語で斬新でした。
ヒット作「恋は雨上がりのように」とは一味もニ味も違う作風で大人の恋愛模様であったり、女の愚かさ、強さ、美しさが描かれた内容が多数収録されています。
作者ファンは購入必須の作品。また眉月じゅん先生の毛色の違った作品を読んでみたい方にもお勧めできる漫画となっています。
目次
漫画「さよならデイジー眉月じゅん初期短編集」ネタバレ
エヴリデイ
正義感強いけどガサツ。仕事はクビ切られるばかりの男、洋介とニューハーフ、エミリの交流や恋模様を描くエピソード。
性別に大した意味はないと思い、性転換手術を受けるエミリを送り出す洋介の放つ言葉が格好いい☆彡 無事に手術を終えて、この二人が笑って幸せになれるといいなぁ〜〜〜なんて応援したくなる内容になっています。
レバニラ
女性器に名前を!なんてワケの分からないことを言っている京生子(きょうこ)がヒロインのエピソード。過激な発言をする京生子だけど実は夜の営みコンプレックス。
ただの一度もイッたことがない京生子はソープランドのドアマンに興味を抱いていく。
何故かって…?
どうやら京生子の中で対象となるドアマンが自分をイカせてくれる男だと妄想の中に出てくるからだ(笑)
覚醒して本当の自分を見つける京生子が清々しいエピソード。
爽快サイケデリック
作中、3部構成で描かれていくエピソード。
ヒロインは忌野才子(いまわのさいこ)といった陰キャな女性。
バイト先の先輩、夏坂に恋をする事になるのだが色々と愛情表現が間違っている気がする(笑)
陰キャ女性の報われない恋が描かれていき、色々と危険な香りを放つ才子さんが面白いエピソードです!
おやゆびひめ
中身からっぽ、でもスタイル抜群の女と石膏アーティストである女の交流を描くエピソード。
石膏アーティストの作った「考えない人」といった石膏像を壊そうとするスタイル抜群女。愚かな喧嘩が始まり、言い負かされるけど何かが吹っ切れるスタイル抜群女。
最後に描写される「はじめまして、わたしです」と投稿されたSNSの写真。潔さが出ていて格好いい。確かに「いいね」を押したくなる心に刻まれるSNS投稿だ!
つなぐ夜
何もない自分に価値を見出そうとするユウキと路地裏でただ突っ立っているセレブおばさんの不思議な交流を描くエピソード。
個人的にこのエピソードはちょっと意図や意味がわからなかった。
例え、自分は何も持っていない…と思いつつも見ている人は必ずいる…なんて事を伝えたかったのか…。
ラストは衝撃の展開で薄っすらと笑みを浮かべるセレブおばさんが怖い…(笑)
さよならデイジー
学校の自己紹介で「魔女です」なんて言うデイジーがヒロインのエピソード。痛い女なのか…なんて思ったが設定ではどうやら本当に魔女らしい。
一途なデイジーがチャラい同級生に恋をする物語。
報われない切ない恋なのだがコメディチックに描かれており、不思議っ子ちゃんのデイジーが可愛い。今の画力で刷新してラブコメとして新たなストーリーで描いてくれたら絶対に買いたい!
漫画「さよならデイジー 眉月じゅん初期短編集」感想
恋は雨上がりのように…風なエピソードが複数収録されていると期待して購入すると仰天する作品。
まったく毛色が違う多数のエピソードが収録された漫画になっています。個人的には「エヴリデイ」「レバニラと生」「おやゆびひめ」「爽快サイケデリック」のエピソードが印象的で面白かったです。
登場するヒロインは個々で見ても魅力的。眉月じゅん先生が描く多様なヒロインを楽しみたい人にお勧めの一冊です☆彡
さよならデイジー 眉月じゅん初期短編集
魔法が使えたからって幸せになれるとは限らない。だけど――。表題作「さよならデイジー」など、女が抱える強い感情、愚かさと美しさを強烈に描き出した漫画界最注目の俊英・眉月じゅんのデビュー作から各誌に渡って発表された才能の結集とその輝跡・初期短編集。泣いて笑って戦って、優しい爪痕を貴方へ。
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