えー、かなり物語が複雑になっている。これはもう完全にSFだ。それもハードなやつ。
漫画「五佰年BOX」2巻のあらすじ
500年前の世界と、現代の世界が、交錯してそれぞれの物語を展開していく。
それぞれのざっとした流れを語ろう。
500年前の世界は、仮に2018年から500年前だとした場合1518年。戦国時代初期である。あまり馴染みのある戦国武将などはまだ活躍していない時代だ。かろうじて毛利元就が既にいる程度(出てくるわけではない。実在の武将は出さない、とあとがきで明言されている)。とにかく、殺伐とした時代だ。
叶多のことを認識している少女は、その相手を人間だと思ってはいない。神か、少なくとも人の理を外れた何者かと認識し、「天の目」と呼んでいる。
それから、侍の名ありキャラが出てくる。近所の有力な武家の家の息子らしいがドラ息子というか不良である。それを、その叔父にあたる人間が狙っている。いろいろもめている。そのもめごとに少女は巻き込まれる。
その仲で、「天の目」からの干渉が加わる。大きな手が、少女を襲おうとした人間を叩き潰したのである。
実は叶多の手ではないのだがそれは少女には分からない。いずれにせよ「天の目」として認識されている。
漫画「五佰年BOX」2巻のネタバレ
いっぽう、現代。
叶多の幼馴染だった真奈の婚約者だった男、山崎が、ひとつの仮説を唱え始める。この世界は変容したのではないのではないか。世界が変容したのではなく、「君、叶多が、この世界に移動してきたのではないか。真奈のいた世界、つまり並行世界として存在する別の世界から。」
だから真奈に関する記憶が山崎にはなく、叶多の頭には残っているのではないか。
この説の真偽はまだ分からない。山崎自身にも確信があるわけではない。
さて。重大な話の流れがもう一つある。
真樹が箱に接触する。そして、箱がなんなのか、その中にあるものが何なのかよく分からないまま、天の目としてその世界に干渉してしまう。
その結果としてまた世界には変容が起こった。あるいは真樹が平行する世界を移動した。いずれが事実であるのかは分からない。ともかく、今回は、健在であったはずの「真樹の父」(真奈の父でもあった)が、3年前に死んでいた、という事実が生じる。
なお、このとき、叶多ですらも「3年前から死んでいたのが事実であって、その父親であるところの人物が最近まで生きていたなんて記憶はない」という状態になっている。
仮説が生まれる。この箱は、過去に干渉した人間を、干渉した人間だけを平行世界へと移行される性質を持った装置なのではないか、ということだ。
ところで少女が天の目に対してアプローチ(何らかの情報疎通)を行おうとし始めたので(もともとは叶多の方から始めたのだが)、とりあえず音を録音して古語が分かる人間に分析してもらおう、ということになる。
それにたまたま録音されていた叶多と山崎の会話を真樹が聞いてしまう。
「ひょっとしたら君は真樹を殺すことになるのかもしれない」
といったような言葉をだ。二人とも顔面蒼白。2巻はここまでである。
漫画「五佰年BOX」2巻の感想
ストーリー展開上の複雑性で何がややこしいって、並行世界論だけならまだいいが、「箱に干渉して並行世界移動をしている(のかもしれない)人間が増えた」ということである。
そのおかげで、あらすじを理解するだけでも一苦労という感じになってきた。
だが、面白いことは間違いない。3巻が出るのがいつになるのかは分からないが、出たら是非それもご紹介したいところである。といったところで、次の記事をお待ちいただきたい。
五佰年BOX
遠野叶多(かなた)は、幼なじみの真奈の家から奇妙な箱を見つける。箱の中には実際の人間が生活し、よく見るとそこは中世の日本らしき世界だった。好奇心で観察を続けるが、ある時、箱の中で少女が野盗に襲われているのを見てしまい、思わずその野盗を殺してしまう。動揺した叶多は真奈に相談するため彼女の家に向かう。だがそこで真奈の父親から思いもよらぬ事実を告げられる。「うちには真奈なんて娘はいないよ」と。
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