漫画「不朽のフェーネチカ」は「辺獄のシュヴェスタ」を描く竹良実先生の読み切り作品。
列聖審査目前、聖人認定間違いなしと謳われる聖女、マザードロテア。そんな非の打ち所がない彼女の経歴、人柄に疑いの目を向ける一人の青年記者、アレハンドロ。
マザードロテアを追いかけていくと修道女以前の記録がなく、謎の暗号文が書かれた手帳…。
彼女は一体何者なのか…この物語はアレハンドロがマザードロテアの本性に迫っていく物語。本性に迫るにつれて浮かび上がる不変の愛…そして生き様を貫き通すドロテアお婆ちゃんの格好良さに胸打たれる作品に仕上がっています。
電子限定で復活した素晴らしく評価の高い特濃読み切り漫画となっています☆彡
漫画「不朽のフェーネチカ」ネタバレ
色々と怪しい聖女を一人の記者が調査開始!
列聖審査目前、聖人認定間違いなしと称される聖女、マザードロテア。誰もが崇拝する彼女に一人の青年記者、アレハンドロが疑いの目を向けていきます。本当に彼女は大衆が感じているような聖女なのか…!?
アレハンドロは過去、孤児院でお世話になった子供と偽ってマザードロテアに近付き、目を欺いて聖堂へ侵入。マザードロテアの本性に近づく謎の暗号文が書かれたボロボロの手帳を見つけて、解読を友人にお願いします。
その後もマザードロテアを知る人物に取材を申し込み、当時の出来事を調査。
マザードロテアの姑息な手口、目的を暴いていきます。
さらに修道女以前の彼女の半生を調査するべく、辿り着いた彼女の故郷。
マザードロテアは宗教が弾圧された母国、ソ連から国境を超えて修道女になる為、亡命してきた事実を掴みます。
始まりの地で知る聖女が聖人を目指すキッカケ…
マザードロテアの故郷に降り立ったアレハンドロは彼女の本名を知ることにそれが「フェーネチカ」。
そして故郷での彼女の半生を調査していき、彼女が聖人を目指すキッカケとなった事件へ迫っていきます。
彼女には当時、愛する男性であるサーシャがいました。サーシャは発電所に勤めていましたが発電所の爆発で事故死。サーシャの遺体は発電所にあります。しかし、発電所は核物質を保有。遺体等を運び出せば周りが放射能に汚染されてしまう状況でした。
そのため、発電所ごとコンクリートで永久に封鎖する事が決定。
中の遺体は供養されることもなく発電所内でずっと形を残したままへ…。フェーネチカはサーシャを置いて自分だけが大地に還ることはできない…。そんな思いで気力を失っていきますが、聖人になれば死後も肉体は朽ちることがないといった宗教があると知り、母国を亡命。修道女となっていたのです。
つまり、マザードロテアが聖人になる理由…。
それは愛する男性と同じく朽ちる事のない体、居場所を手に入れて一緒に地球が終わるまで土に還らずにいる為だったのです。
列聖審査目前に大事件が勃発…
全てを知ったアレハンドロ…。
マザードロテアの真相を記事にする事なく協力の道を歩もうとします。そして列聖審査の最終段階に入ったお便りが…。
しかし、ここで列聖が無くなる可能性もある大事件が勃発。
聖人を取るか…目の前の命を助けるか…。選択を迫られる聖女、マザードロテア。悪人であろうと人を殺めれば列聖が無くなる状況で導き出したマザードロテアの決断はまさに格好良過ぎるお婆ちゃん!
性悪お婆ちゃんに見えるマザードロテアですが根っこは聖女であり聖人。痺れる格好良さを見せつけてくれますよ☆彡
漫画「不朽のフェーネチカ」感想
非常に面白かった。
わずか90ページ超の読み切り漫画にここまで内容を詰め込み、素晴らしいストーリーが広がっていく読み切りは珍しい。
序盤はマザードロテアを稀代の詐欺師と思い込ませておいて、蓋を開けると一人の男性を愛するが為の人生。聖人になる為、手を汚してきたと感じていた彼女ですが実際は救った人間も数知れず…。
不純な動機で聖人を目指していたマザードロテアでしたが個人的に彼女は歴とした聖人で良いと思いました。
引き込まれるストーリーに意外な事実…。
間違いなく最高傑作となる読み切り漫画です。興味がある人は試し読みも可能なので是非、チェックしてみてください。
不朽のフェーネチカ
この後自殺か人殺しでもしないかぎり、聖人認定は間違いないと言われる修道女のマザー・ドロテア。だがある日、彼女の経歴を疑う青年記者・アレハンドロが修道院を訪れる。彼女の正体は、奇跡の聖女か、稀代の詐欺師か――。『辺獄のシュヴェスタ』で各所から激賞された竹良実が放つ、85ページの特濃読み切りを、リクエストにお応えして緊急電子書籍化!電子版では彼らのその後を描いた、おまけマンガ3ページも収録します。
この漫画は電子書籍ストア「eBookJapan」にて試し読み可能!非の打ち所がない聖女は偽善者なのか…詐欺師なのか…本当の聖女なのか…!?
今すぐ試し読みする