漫画「私がダメ母だったわけ」は武嶌波先生のコミックエッセイ。子を産み、育てていく過程で自分を『ダメ母』ではないかと感じるように。その原因を追求していく。子育てに対する問題を描いた作品。育児に関する漫画では「育児しんどいマンガ」を読んだが、今回の作品はまた毛色の違う漫画だった。
ただ、育児がしんどい。子供を愛しているのにイライラしてしまう。思いもよらない事を考えてしまう描写もある両作品だが共通点は過去の家庭環境が少なからず影響を与えていること。
育児しんどいマンガの作者:爽田するめ先生は両親が毎晩のようにケンカ。母親から子供を支配したいという特別な愛情を受けていた。私がダメ母だったわけの作者:武嶌波先生も両親は仲が悪く、母親から愛情を感じなかったよう。逆に父親から愛情を注がれたようだが本当の甘えや怒りは受け止めてもらえなかった。
コミックエッセイなので作者の身の回りの出来事や感想が綴られた作品。育児、子育てに対して正解があるわけではないが、母親である方なら何かしら感じる部分、救われる部分、共感できる部分がある漫画だと思う。
漫画「私がダメ母だったわけ」は電子書籍ストア「BookLive!」にて試し読みが可能。子育てに悩む人に読んで欲しい問題作!以下から試し読みページへ移動できます。
目次
漫画「私がダメ母だったわけ」ネタバレ
第一章:私はダメな母親なんです
自己紹介から始まり、子を産み、愛しているのにイライラしてしまう過程が描かれる。そして行き着いた先が自分の両親への怒りだった。
子供との触れ合いが多く描かれるがなぜかイライラしてしまう作者。既視感を感じて思い出すのは自分が子供時代に親から受けた待遇と同じことをしていたといった感じだ。自分の気持ちを改めて見つめ直すと子供に対してではない怒りを抱え込んでおり、その上から子供の要求が来るのでバケツが溢れてしまい子供へと飛び散ってしまうようだ。
そんな感情を少し抑えてくれたのが長谷川博一さんの本。この本を読んで怒りの原点を知り、気分が少し軽くなり『お母さん』に専念できるようになる作者。
第二章:怒りの理由は両親に
第二章では作者の子供時代の家庭環境が綴られる。暴力などはないが母親は常に不機嫌。毎日何かしら怒られていたようだ。そんな日々が幼少期から続いたので親の顔を伺う子に育ったそう。逆に父親は母親と真逆。自分にはとても優しかったようだが、それが嫌われたくないだけ。
父親は母にだけキツくあたり夫婦はいつもケンカをしていた。
小中高時代の家族との思い出も描かれる。グレたことはなかったようだが親に対して自分の意見を言えなかったらしい。いわゆる毒親と言うのだろうか。親の圧力は子に伝染。子が親になった時にさらに子に伝染。連鎖していくのが怖いと感じた。
第三章:ダメ母脱出計画
ダメ母を脱出するために奮闘する過程が描かれる章。作者なりの『子育て』がそこにはあり、連鎖を断ち切る、薄めるために出来ることから行っていくといった姿勢が強く感じ取れる話になっている。
人に話す、カウセリングを受けることで解放されていく様子も描かれる。この手の漫画に多いがやっぱり自分の中で溜め込まないで誰かに悩みを打ち明けることは凄まじいデトックスに繋がるのだと思う。
子育てにセオリーはあっても正解はないと個人的に感じていますが、この漫画で描かれて導いている内容に救われる、変わるキッカケをもらう人もいるはず。特にカウセリング時の内容は学ぶ部分も多かった。
漫画「私がダメ母だったわけ」感想
上はネタバレとしつつ、既に感想も交えていますが(笑)この漫画はイライラの発端⇒原因の追求⇒原因と向き合っていく…といった内容になっており、個人的に第3章が最も面白く読むことができた。
学べる部分、子育てに反映できる部分もあり読んで良かったです☆彡
漫画「私がダメ母だったわけ」こんな人におすすめ
読んでみて「私がダメ母だったわけ」を勧めたい人は…
子供が好きだけど…イライラして怒鳴り散らしてしまう
自分は自分の親が嫌い
こんな境遇、感情を抱いている人には活路を見出してくれるかもしれない作品になっている。「怒り」の吐口がない人は是非、一度手にとって読んでみて欲しい。何かしら感じる、得るモノがあるはず。
私がダメ母だったわけ
極度の人見知り、自分に自信がもてない。でもそれはそういう性格なんだと思っていた。けど、子どもを産んでから、むしょうにイライラが募り、今まで以上の自己嫌悪にさいなまれる毎日。「お母さん」が子どもにイライラするのは普通だとダンナは言うけれど、どうも私の場合、普通じゃないような気がする…。どうしてだろう?可愛いし愛しているのにうまくいかない。そんなやるせない日々の中、ふと気づいた自分の中から湧き出る「怒り」の感情。でもそれは「子ども」に対してではなく、「親」に対するものだった。もしかして子育てがうまくいかないのは「親」のせい?本書は「子育て」を通して、自分の、そして娘との親子の問題を描きます。両親との問題に悩む人はもちろん、核家族化でさらに増えていると思う「子育て」の悩みを抱えている人にも読んで欲しい問題作。
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