楠本哲先生の新作である漫画「佐藤さん」…。平凡なタイトルから想像できない悍ましい表紙に気になった方も多いのではないでしょうか。
この漫画はヒットマン漫画で殺し屋である佐藤さんに狙われる対象者視点で物語が進行していきます。各話完結型になっており、佐藤さんに狙われたが最後…。
「会う」=「死」に繋がっていきます。
漫画「佐藤さん」ネタバレ
佐藤さんは裏社会でも恐れられる殺し屋…。佐藤さんに狙われた者は生かして帰してもらえない…姿を見た者はいないといった半ば、都市伝説的な存在である。
そんな佐藤さんに接触しようとしたり、佐藤さんに依頼された対象者視点で物語が進行。
ふとした時に現れる得たいの知れない殺し屋:佐藤さんが悍ましい恐怖を与えてくれます。
侵入
佐藤さんが予約していたレストランの席をヤクザが勝手に奪ってしまう。その行為に激怒した佐藤さんが席を奪ったヤクザ二人を狙っていくエピソード。
1話から佐藤さんが登場。
この人は人間なの…怪物なの…といった感じの形体になっている。
ここで佐藤さんに会ったことがない理由が明かされる。人外のような佐藤さんだが正体は果たして…。
怒り
同業者同士のバトルだが圧倒的な力で佐藤さんが勝利する。
憧れと唯一認めた殺し屋である西城が何者かに殺される…。その犯人を追って西城に憧れた塩田といった殺し屋が佐藤さんを狙う物語。
一流の殺し屋も佐藤さんには敵わないといった事がわかるエピソードになっている。
命拾い
編集者の1人がスクープとして佐藤さんの正体を突き止めようとするエピソード。
佐藤さんと電話で接触して待ち合わせの場所へ…。背後へ佐藤さんが現れた事を察知するも振り向けば「死」が待っていることを感じた編集者は振り向くことができなかった…。
この編集者は佐藤さんと接触するも殺されることはなかった。ただし、佐藤さんの素性を知ることもできず…。
見殺し
歌のうまいキャバクラ嬢:千絵のエピソード。事故によって高音が出ず、かすれた声になってしまった千絵は生きがいを無くしてしまう。
ネットで佐藤さんのフリをする偽物に騙されてホテルに連れて行かれようとする本物の佐藤さんが登場。
偽物佐藤さんを殺すが、犯人扱いされるのが千絵となる。佐藤さんと接触して生き残っている千絵であったが千絵にとって「生き続ける苦しみ」=「死」になっているので、ある意味、佐藤さんは千絵にとって最も残酷な殺し方をしたエピソードでもある。
切願
濃厚な人間ドラマも描かれたエピソード。不動産会社の社長は重病で今にも倒れそうな状態。最後は苦しまずに死にたいと佐藤さんとの接触を試みる社長。しかし、違った思惑も兼ねていた…。
佐藤さんと接触した社長は死ぬ前にもうひとつ依頼をする。
それは社長亡き後、会社を仕切ろうとする息子が目障りと感じている男の抹殺であった…。ちなみにこのエピソードの社長と息子は犬猿の仲。しかし、表面とは裏腹に実は息子思いだった父親に感動を覚えるエピソードです。
佐藤さんのお仕事
刑事がヤクザを嵌め、ヤクザ同士潰し合いをさせて、ついでに佐藤さんも捕まえてやろうといった太っ腹エピソード。
ですが相手は佐藤さん…。この刑事の思惑は失敗に終わり、刑事とヤクザのトップ二人が佐藤さんに殺されるといった結末へ。
素性のわからない佐藤さんには刑事もヤクザも誰も敵わないのではないだろうかと本気で疑ってしまう恐怖の物語になっています。
漫画「佐藤さん」感想
佐藤さんとは何者なんだろう…この漫画を読めば誰もがそう考えるはず。答えはあとがきにありました。
どうやら佐藤さんは普通の人間みたいです。
何故、愛称が佐藤さんかの説明もされていました。日本で一番多い名字なので隠れ蓑として使うには都合が良い名字だったので佐藤さんといった愛称になったようです。
作中では多々、人間とは思えない佐藤さんの所業もありますが…(笑)
これ続刊出るのか不明ですが、佐藤さんの対抗馬が出てきたり、佐藤さんが窮地に陥る場面なんかも見てみたいですね。とりあえず1巻の現状では佐藤さんが最強過ぎます(笑)
ジワジワと背後から迫りくるような恐怖漫画を求めている人にお勧めしたい作品です☆彡
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