セブンティウイザン、全5巻中の5巻。最終巻、ぶじ完結である。
漫画「セブンティウイザン」5巻あらすじ
みらい2歳(保育園に入って半年)から、保育園児としての暮らしと、そして幼稚園に入るまでが描かれる。それでおしまいである。
波乱などは最後までなく、物語後半はおしなべて平和な育児ものであった。なお朝一も夕子もぶじ健康である。
漫画「セブンティウイザン」5巻ネタバレ
冒頭、夕子がくだんの医者(産婦人科医)に診察を受けている。前に一度倒れて入院したあとそれなりに体調などに問題はあったわけだが、それはすっかり回復した、と告げられる。
いっぽう朝一。保育園の親仲間のひとりから、親同士の交流のSNSに誘われる。しかし夕子は携帯電話も持っていないのである(朝一のが一台あるだけ)。ママ友付き合いというわけだが、みんな(ママ友数人)で一緒に公園に出かける、という話になる。朝一はコミュニケーションがあまり得意ではないのでおどおどしっぱなしである。
ところが行ってみると誰もいない。しばらく探したら、やっと一人だけ、主催者のママ友の人が見つかった。単にトイレにおむつ替えに行っていただけなのだが、インフルエンザが流行したので中止ということになったらしい。朝一の携帯に連絡は着ていたのだが、カバンにいれっぱなしにしていたので気が付かなかったのだ。結局、いろいろトラブルを乗り越えて、親の方も成長していくのだということでこのエピソードは締めである。
さてところで、みらいは言葉の方がはっきりと達者になっている。以前なら不満があっても泣いて喚くだけだったのが、的確に親の嫌がることを考えてそれを実行するようになったりであるとか、すくすくと、しかし育てる側にしてみれば大変な感じで子供は成長していくのである。
なんだかんだで入園から一年が経ち、これ以上上の年の子は今いる保育園ではみてもらえないので別の保育園に移るか幼稚園に入れるか、という話になる。幼稚園の方がどちらかといえば大変だが、保育園は保育園で今よりも遠くなるなど悩みどころも多いのだ。
で、結局幼稚園の下見に行ったりして、幼稚園の面接を受けることになる。
「御名前をおしえてください」
「えづきみらい です」
「何歳ですか?」
「さんさい です」
「お母さんの名前は言えますか?」
「ママ…」
「ではママの名前は?」
「ゆうこ」
いや、立派になったものである。妊娠当初というところから話を知っているわけなので、実に感慨深いものがある。
みらいはトイレにまだ一人では行けないのだが、それは無理にさせなくてもよい、ということになり、結局面接は合格となる。
そして保育園は卒業・お別れとなり、入園式を迎え、「生まれきてよかった」という言葉とともに締めくくられ、この物語は終幕となる。
と思ったら……最後のページに第一章完とあり、続きが描かれているらしい。まだ単行本はないが、タイトルは『セブンティドリームズ』だそうである。
漫画「セブンティウイザン」5巻の感想
形としていちおう考えていた感想文があったのだが、続編があるということになると若干、話が違ってくるのだよなあ。どうしよう。
前のほうの巻の感想で書いたと思うのだが、この漫画は命というものの重さと正面から向き合った漫画である。命、つまりは生きると言うことだ。その筆致そのものは最後まで変わらなかった。誠実に描かれた人間愛のドラマとして、完成度の高い漫画であったと思う。
ところで。最後にどうでもいい話をしよう。みらいが幼稚園の3歳クラスに入る面接の話だが……そういえば思い出したんだが、遠い昔、筆者は落ちました。箸が使えなくて。それだけですが。
セブンティウイザン
その日、江月朝一(65歳)は定年退職を迎えた。家に帰ると妻、夕子(70歳)から信じられない事実を告げられる。「私、妊娠しました」。終活、そんな言葉もよぎる夫婦が、突然授かった大きすぎる未来。超高齢出産夫婦がおりなす全く新しい家族の物語が始まる。夫婦の愛に、あなたもきっと涙する。
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