2巻。本作品の最終巻である。
漫画「さぼリーマン 飴谷甘太朗」2巻のあらすじ
前半は、第1巻と変わらない流れで展開していく。
つまり、甘太朗が「自分は甘党だ」ということを社内でひた隠しにしつつ、営業回りの合間にスイーツ行脚をし、スイーツのおいしさに対してシュールかつド派手なリアクションを取る、というプロットの繰り返しである。
ところが後半で、重要な新キャラクターが出てくる。
謎のスイーツマニア爺さんが現れ、甘太朗にスイーツ道のなんたるかみたいなことを説き、「あなたは何者なんですか」と問われて老人はなんとこう答える。
「I’m your father.」
- 作品名:さぼリーマン 飴谷甘太朗(2)
- 作者・著者:萩原天晴 / アビディ井上
- 出版社:講談社
- ジャンル:青年マンガ
漫画「さぼリーマン 飴谷甘太朗」2巻のネタバレ
ごめんなさいちょっとだけ話を盛りました。別にスターウォーズではないので、英語で言うわけではない。普通に「私は君の父親だ」と告げる。
甘太朗は驚く。「そんなはずはない!私の父はずっと前に死んだはずで」とかなんとか。
ネタバレと銘打っているのだし別に引っ張るほどの話でもないので、書いてしまうと、この人は実際に甘太朗の父である。
まず、甘太朗の母について説明しなければならないだろう。実は1巻で、チョイ役としてではあるが、登場している。甘太朗の母は歯科医であり、甘太朗が甘いものを食べることを(甘太朗が大人になった今でも)厳しく禁じている。
が、甘太朗はそれに従っていない(いい大人なのだし)。彼がスイーツマニアであるルーツはそもそも以下のようなものだ。母に禁じられていたスイーツを子供の頃こっそり食べたときのあまりのおいしさが忘れられず、スイーツマニアになってしまったのだという。
ここまでは1巻で語られていた話である。ふーんと思って読み流していたから1巻解説では紹介しなかったのだが、重要な伏線だったらしい。
さて。
甘太朗の父は、自分が本物の父親であると証明するために、甘太朗と一緒にスイーツを食べに行く。で、甘太朗が食べようとしていたスイーツが何だったか(ちなみにフルーツサンド)を、事前に爪を切っていたからという理由で見事言い当て、血は争えないのだとかなんだとか言い出す。
甘太朗も納得する。で、重ねて問う。「あなたが父であるというのはいいとして、ではあなたは何十年も妻子と離れて何をしていたんですか」。
そして、なんとそこで甘太朗の母が現れ、老人を見て驚愕している。ここで、実際に老人が甘太朗の父であったことが分かる。
割とどうでもいいのだが、父は甘味道の追及のために世界を旅していたらしい。妻子を捨てて。
阿呆である。
だが、旅の果てに「一番大切なものは妻だった」ということを悟り、日本に帰ってきたらしい。
甘太朗はこのあたりになるともう呆然としている。
なんだかんだで甘太朗の両親は仲直りし、なんとその場にいる甘太朗を放置して二人でどこかに行ってしまう。多分ホテルにしけこむつもりだと思われる。
甘太朗が慌てる。「母さん!僕はあなたに隠れて甘味を食べていたんですよ!それについて何か言うことはないのですか!」
母は息子を突き放す。「もうそんなこと、どうでもいいわ。あなたは大人よ。好きになさい」。
父も息子を突き放す。「禁じられた快楽だけがスイーツ道の全てではない。お前はこれから、自由に解き放たれ、そしてその上で新たなスイーツ道を追及していけ」とかなんとか言って。
そして結末。
甘太朗は、同僚のOLで彼女もまた隠れ甘党である土橋さんに、スイーツの店に誘われる。
そして、答える。「その日は仕事ですが……日曜日は如何ですか」。
甘太朗が、隠れ甘党から脱却した瞬間であった。完。
漫画「さぼリーマン 飴谷甘太朗」2巻の感想
なんで終わってしまったのであろうか。ネットの感想サイトなど見ても、惜しむ声が多い。筆者も惜しいと思う。スイーツ縛りのグルメ漫画とはいえ、ネタ切れということもないだろうと思うが。
第2部でも始まってくれないものかと思いつつ、筆者もここで筆を置かせていただく。
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