青春の甘酸っぱさを噛み締められる「とらドラ!」第7巻のあらすじ・ネタバレ感想

とらドラ!(7)

とらドラ!(7)
著者 竹宮ゆゆこ / 絶叫 / ヤス
雑誌 電撃コミックス
出版社 KADOKAWA
ジャンル 青年漫画

7巻。文化祭編の後篇から話は始まる。

冒頭は前巻を引きずって若干話が重いのだが、冒頭だけである。

6巻はこちら

とらドラ!(6)

とらドラ!【第7巻】あらすじ

大河は、父親に対する感情を割とあっさり吹っ切り、ミスコンのアピールを始める。おもむろに、ボストンバックの中に入る。「閉めろ!」と命令する。近くにいた誰かが閉める。大河は小さいので、すっぽり入って口が閉じてしまう。

で、誰かがそれを持ち上げようとする。そこで「持つな!開けろ!」とくる。そして出てくる。

何をアピールしたいのかは分からないが、とにかくすごい自信だ。シリーズ中でも印象深いシーンの一つではある。

で、このよく分からないアピールで、大河はミスコンに優勝する。

それに引き続き、「ミスターコンテスト」が開催される。この学校のミスターコンテストは、イケメンを選ぶコンテストではない。自由参加の徒競走で、ミスコン優勝者(つまり大河)のところへ走っていく、という趣旨である。

商品がいろいろあるのだが、竜児はそれどころではない。父親のおかげで傷心の大河のところに早く駆け付けてやりたい、それだけの一心で、竜児は走る。走る。やあ、青春だね!

こうして文化祭は終わり、7巻途中から「生徒会長選挙編」が始まる。

生徒会長選挙選の主役は、北村である。ここまで腹黒メガネだった北村が、壊れる。

突然、壊れる。

彼は次期生徒会長候補筆頭なのだが、突然教室で「選挙でない やめる やめるやめるやめるやめる やめゆー!!!」と叫び、翌日、グレる。いきなり金髪になって登校して、速攻で生徒指導室送りとなるのだ。

とらドラ!【第7巻】ネタバレ

とらドラ!(7)

さて北村にいったい何があったのか。とても簡単である。

最愛の(片思いの)人、生徒会長狩野すみれが、彼女の夢(宇宙飛行士になる、というなかなかスケールのでかい夢)の為に、アメリカに留学にすると宣言したから、狂乱するほど落ち込んでいるのだ。

それはいいのだが、金髪になった挙句、北村はさらに、家出を敢行する。どこへ行くのかというと、なんと高須家に転がり込んでくる。で、当たり前のように「今日のばんごはんなにー」とか言ってやってきた大河(大河は毎日高須家に転がり込んで一緒にごはんを食べている。完全に家族である)と、食卓を囲む。

その晩、大河と竜児は北村が寝ながら枕に涙しているのを発見して心配したりするが、まあ、そのへんは、平和な青春の物語なのだ。言ってしまえばそれまでだ。と、言い切ってしまうキャラクターが、作中にいる。

誰であろう亜美様である。亜美は北村の幼馴染で、理解者で、先の展開をだいたい読んでいる。「ほっといたって平気だよ。みんな、祐作を甘やかしすぎ。ギャーギャー喚けばみんなに心配してもらえる奴ってのはさ、本当は幸せな奴なんだよ」。

なお生徒会長選挙編であるので、生徒会長選挙の話が始まる。「北村を立ち直らさせ、生徒会長選に立候補させるため」という目的で、なぜか大河が立候補を宣言する。

そして、「生徒会長に就任したら、学校を恐怖のずんどこに陥れる」というわけのわからない宣言をする。

そして、次巻へ続く。

とらドラ!【第7巻】感想

とらドラ!(7)

この巻の主役は北村である。そして影の主役は狩野すみれだ(登場シーン自体はそんなに多くないのだが)。

この巻くらいまで来ると、人間ドラマの密度がだいぶ濃くなっている。お互いがお互いを理解するようになった、その深度が深まっているからだ。その上で、彼らは恋をし、青春し、傷つけ傷つけられ、物語を紡いでいく。この巻は、甘酸っぱい。青春の甘酸っぱさである。

特に、亜美様の理解力がすごい。まるで預言者のように先々の展開を言い当てていく。亜美様マジ亜美様。もっとも恋愛関係の輪には混ざれないのだが。

さて、2017年1月現在、この巻がとらドラ!コミカライズの最新刊である。ちなみに2015年2月27日初版発行であるので、2周年が近い。

続刊は……続刊はまだでしょうか、アスキー・メディアワークス様、絶叫先生……。まあ、ここまで9年付き合ってるんだから、もうマジで完結まであと11年だろうと待ちますけどね……。

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とらドラ!(8)

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